公開 2026/10/16/更新 2026/10/20/内容の確認 2026/10/16
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施工管理の残業代はどう決まる?残業が減ると年収はいくら変わるか
施工管理 残業代は、「1時間あたりの賃金×割増×残業時間」で決まります。だから残業が減れば年収は減りますが、どのくらい減るかは、自分の月給と時間で計算できます。転職を考えるなら、先に計算して減る幅を知り、求人では残業代ではなく基本給と手当を比べます。
残業を減らしたい。でも、残業代で生活が回っている分もある。施工管理の方なら、この2つの間で迷うことは多いと思います。
この記事では、1人のモデルケースと一緒に、施工管理 残業代の仕組みと、残業が減ったときの年収の変わり方を順番に見ていきます。
モデルケース(架空の人物と仮の数字)
Eさんは40歳、建築の施工管理です。月給は32万円(基本給と、全員に同じ額で出る手当の合計)。年間休日は110日、1日の所定労働時間は8時間です。
いまの残業は月45時間。見つけた求人では「残業は月20時間ほど」と言われました。
残業が25時間減ると、Eさんの年収はいくら減るのか。3つの順で見ていきます。
- 施工管理 残業代は、どういう式で決まるのか
- 施工管理の「1時間あたりの賃金」には、何が入るのか
- 残業が減ると、施工管理のEさんの年収はいくら変わるのか
施工管理 残業代は、どういう式で決まるか
施工管理 残業代は、1時間あたりの賃金に、割増の率と残業時間を掛けて出します。法律で決まった最低の割増は25%です。
まず、施工管理の残業代の式の形を見ます。
残業代は、「ふだんの1時間分の賃金」に、法律で決まった割増を上乗せして払うものです。式にすると、次の3段になります。
- 1か月の平均の所定労働時間 =(365日 − 年間休日)× 1日の所定労働時間 ÷ 12
- 1時間あたりの賃金 = 月給 ÷ 1か月の平均の所定労働時間
- 残業代 = 1時間あたりの賃金 × 1.25 × 残業時間
※ 労働基準法 第37条、同施行規則 第19条、割増賃金率の政令。1の式は、労働基準監督署の資料「割増賃金の計算方法」の例にならっています。会社の就業規則に、これより有利な定めがあれば、そちらが優先されます。
「所定労働時間」は、会社が決めた、ふだん働く時間のことです。「1.25」は、法律で決まった時間外労働の割増(25%以上)を表しています。
もう1つ、施工管理で残業が多い月の決まりがあります。月60時間を超えた分は、割増が50%以上になります。中小企業も、2023年4月1日から同じです。
つまり、施工管理の残業代は「時間」と「1時間あたりの賃金」の2つで決まります。時間が同じでも、1時間あたりの賃金が違えば、残業代は変わります。
では、施工管理の「1時間あたりの賃金」には、何が入るのでしょうか。
施工管理の「1時間あたりの賃金」には、何が入るか
基本給と、多くの手当が入ります。外せるのは、家族手当や通勤手当など法律で決まった7種類だけで、それも名前ではなく中身で決まります。
式の2段目の「月給」に何を入れるかで、施工管理の1時間あたりの賃金は変わります。
法律では、施工管理の残業代の計算から外してよい賃金を、次の7種類に限っています。
- 家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当
- 臨時に支払われた賃金
- 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
※ 労働基準法 第37条第5項、同施行規則 第21条。
ここで大事なのは、名前ではなく中身で決まることです。たとえば、家族の人数に関係なく全員に同じ額で出る「家族手当」は、計算に入ります。
施工管理でよくある資格手当や現場手当は、この7種類に入っていません。つまり、毎月決まって出る資格手当などは、施工管理 残業代の計算のもとに入ります。
Eさんの月給32万円は、基本給と、全員に同じ額で出る手当の合計でした。この32万円が、そのまま式の「月給」になります。
モデルケースの計算(仮の数字)
1か月の平均の所定労働時間 =(365 − 110)× 8 ÷ 12 = 170時間
1時間あたりの賃金 = 32万円 ÷ 170時間 = 約1,882円
これで、Eさんの1時間あたりの賃金が出ました。次は、残業が減ったときの差を出します。
残業が減ると、施工管理の年収はいくら変わるか
Eさんの場合、残業が月45時間から20時間に減ると、残業代は月に約5万8,800円、年に約70万6,000円減ります。
いよいよ、Eさんの施工管理 残業代を比べます。
表: Eさんの施工管理 残業代の比べ方(仮の数字)
| いまの施工管理の残業(月45時間) | 施工管理の求人の残業(月20時間) | |
|---|---|---|
| 残業代の式 | 約1,882円 × 1.25 × 45時間 | 約1,882円 × 1.25 × 20時間 |
| 月の残業代 | 約10万5,900円 | 約4万7,100円 |
月の差は約5万8,800円、1年では約70万6,000円です。
つまり、Eさんが同じ月給のまま残業を25時間減らすと、年収は約70万円減ります。休みが増える代わりに、この額を手放す計算です。
※ 税金や社会保険料を引く前の額です。賞与は変わらない前提で、深夜と休日の割増は入れていません。
この数字は、施工管理の転職をやめる理由ではありません。比べる相手が分かった、ということです。転職先の月給が今より高ければ、残業代が減った分の一部は、月給で埋まります。
では、施工管理の求人の何を見れば、減る分を埋められるかが分かるのでしょうか。最後に、比べ方と聞き方をまとめます。
施工管理 残業代が減る分を、求人のどこで比べるか
比べるのは、残業代ではなく、月給の中身です。基本給、毎月決まって出る手当、固定残業代の有無を分けて聞きます。
残業代は、入ってからの残業時間で変わります。施工管理の求人の段階で確かめられるのは、毎月決まって出る部分です。
Eさんの場合、残業代が年に約70万円減ります。施工管理の転職先の月給が今より約5万9,000円高ければ、月の残業代の差(約5万8,800円)は埋まる計算です。
※ ここでは、転職先でも月20時間の残業代が出る前提です。月給が高くなれば、1時間あたりの賃金も上がるので、実際の差はもう少し縮みます。
つまり、施工管理の求人を比べるときに、まず聞くのは「月給はいくらか」と「その中に固定残業代が入っているか」です。
施工管理の求人での聞き方は、次の3つです。
施工管理の月給の中身を聞く
毎月決まって出る額を、基本給と手当に分けて聞きます。
施工管理 残業代について、こう聞く
「月給のうち、基本給はいくらですか。資格手当や現場手当は、毎月決まって出ますか。」
施工管理の月給に、固定残業代が入っているかを聞く
固定残業代(残業代を定額で先に払うもの)が入っていると、月給が高く見えることがあります。
施工管理 残業代について、こう聞く
「月給に、固定残業代は含まれていますか。含まれている場合、何時間分でいくらですか。」
施工管理の実際の残業代を聞く
制度ではなく、去年の実際を聞きます。
施工管理 残業代について、こう聞く
「昨年度、施工管理の方の残業代は、月にどのくらい支払われていましたか。」
参考: 施工管理 残業代のほかの割増
深夜や法定休日に働いた分には、時間外とは別の割増があります。深夜と重なる場合は、率を足します。
この記事の計算には入れていない、施工管理の残業代に関わる割増をまとめておきます。
表: 施工管理の残業代に関わる、割増の率(法律で決まった最低の率)
| 働いた時間 | 割増 |
|---|---|
| 時間外労働 | 25%以上 |
| 月60時間を超える時間外労働 | 50%以上 |
| 法定休日の労働 | 35%以上 |
| 深夜(午後10時〜午前5時) | 25%以上 |
| 時間外+深夜 | 50%以上 |
| 法定休日+深夜 | 60%以上 |
※ 労働基準法 第37条、同施行規則 第20条、割増賃金率の政令。「法定休日」は、法律で与えることが決まっている休日です(原則は週1日。4週間で4日以上とする決め方もある)。会社が決めたそれ以外の休日(所定休日)に働いた分は、休日労働ではありません。その週の労働時間が法定労働時間(原則、1日8時間・週40時間)を超えた部分が、時間外労働になります。法定休日の労働が8時間を超えても、時間外の割増は重ならず35%以上のままです(深夜に当たる部分は60%以上)。
まとめ: 施工管理 残業代は、先に自分で計算する
施工管理 残業代は、式で決まります。残業が減ったときの差を先に出しておけば、求人で月給をいくら確かめればよいかが見えてきます。
この記事で見てきたことを、順番に並べます。
- 施工管理 残業代は「1時間あたりの賃金×1.25×残業時間」。月60時間を超えた分は1.5倍
- 1時間あたりの賃金には、基本給と、毎月決まって出る手当が入る。外せるのは7種類だけ
- 残業が減った分は計算できる。求人では、月給の中身と固定残業代を聞いて比べる
Eさんは、残業代が年に約70万円減ることを知ったうえで、月給の高い求人を探すことにしました。
表: 施工管理 残業代の早見表
| 確かめたいこと | 施工管理が最初に聞く1つ |
|---|---|
| 施工管理の月給が高いか | 基本給はいくらで、手当は毎月決まって出るか |
| 施工管理の求人の月給が高く見える理由 | 固定残業代は含まれているか。何時間分でいくらか |
| 残業代が実際に出ているか | 昨年度、施工管理の残業代は月にどのくらいだったか |
今日できることは1つです。最近の給与明細を出して、基本給、毎月の手当、残業代の3つを書き出してみてください。それが、自分の計算のもとになります。
よくある質問
- 施工管理 残業代は、資格手当や現場手当も計算に入りますか
- 施工管理で毎月決まって出る資格手当や現場手当は、計算に入ります。計算から外してよいのは、家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時の賃金、1か月を超える期間ごとの賃金の7種類だけです。 外せる手当も、名前ではなく中身で決まります。全員に同じ額で出る住宅手当などは、計算に入ります。
- 施工管理で管理職になると、残業代は出なくなりますか
- 役職名だけでは決まりません。 労働時間の決まりが外れる「管理監督者」に当たるかは、仕事の内容、責任と権限、働き方の実態で判断されます。会社で管理職とされていても、当たらなければ、時間外と休日の割増賃金の支払いが必要です。深夜の割増と年次有給休暇は、管理監督者にも適用されます。
- 施工管理 残業代は、月60時間を超えると何が変わりますか
- 月60時間を超えた時間外労働には、50%以上の割増が要ります。中小企業も、2023年4月1日から同じです。 この60時間には、法定休日の労働は入りません。会社が決めたそれ以外の休日の労働のうち、法定労働時間を超えた時間外労働に当たる分は入ります。
- 固定残業代がある求人では、施工管理 残業代はどう考えればよいですか
- 固定残業代は、決まった時間分の残業代を、定額で先に払う仕組みです。その時間を超えて働いた分は、追加で支払うことになっています。 施工管理の求人を比べるときは、月給から固定残業代を除いた基本給を出して比べます。固定残業代を含む求人は、除いた基本給、時間数と金額、超えた分の支払いの3点を示すことになっています(職業安定法にもとづく指針)。
本記事「施工管理の残業代はどう決まる?残業が減ると年収はいくら変わるか」で使った資料
- 労働基準法(第37条 割増賃金、第41条 管理監督者)(2026年10月時点)
- 割増賃金率の政令(平成6年政令第5号)(2026年10月時点)
- 厚生労働省「月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が引き上げられます」(2022年4月)
- 川崎北労働基準監督署「割増賃金の計算方法」(発行年月の記載なし)
- 厚生労働省「労働基準法における管理監督者の範囲の適正化のために」(平成20年9月)
- 厚生労働省 職業安定法にもとづく指針(固定残業代の明示)(最終改正 令和6年)


