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施工管理の給料は内訳で比べる: 年収が同じでも、残業が減ると差が出る理由

施工管理 給料は、合計の年収ではなく、月給・残業代・賞与の3つに分けて比べます。合計が同じでも、残業が減ったときに手元に残る額が違うからです。自分の給料を3つに分け、求人でも同じ形で聞きます。

給料は落としたくない。でも、求人の「想定年収」がいまと同じくらいなら、それで大丈夫なのか。施工管理の方なら、ここで迷うことは多いと思います。

この記事では、1人のモデルケースと一緒に、施工管理 給料の分け方と比べ方を順番に見ていきます。

モデルケース(架空の人物と仮の数字)

Fさんは42歳、土木の施工管理です。いまの年収は600万円(税金などを引く前)。

見つけた求人は「想定年収540〜600万円」。上限なら、いまと同じです。

この求人で、Fさんの給料は落ちないのか。4つの順で見ていきます。

  1. 施工管理 給料は、なぜ合計だけでは比べられないのか
  2. 施工管理の給料のうち、賞与はどのくらいか
  3. Fさんの施工管理 給料を分けると、何が見えるか
  4. 施工管理 給料を、求人でどう分けて聞くか

施工管理 給料は、なぜ合計だけでは比べられないのか

年収は、月給・残業代・賞与の足し算です。3つは変わり方が違うので、合計が同じでも、条件が変わったときに残る額が違います。

まず、施工管理の年収が何でできているかを見ます。

表: 施工管理 給料の3つの中身と、変わり方

施工管理の給料の中身 何で変わるか
月給(基本給と、毎月決まって出る手当)× 12か月 毎月決まった額。変わるのは昇給や手当の条件
残業代 働いた時間で変わる
賞与 年によって額が変わることがある

とくに残業代は、働いた時間で変わります。残業代が時間に応じて払われる働き方なら、施工管理の残業が減れば、その分だけ年収も減ります。

つまり、同じ年収でも、月給の割合が大きいほど、残業が減ったときに残る額が多くなります。施工管理 給料を合計の数字だけで見ると、この違いが見えません。

では、施工管理の給料のうち、賞与はどのくらいの重さがあるのでしょうか。

施工管理の給料のうち、賞与はどのくらいか

国の統計では、土木技術者(設計者を含む区分)の賞与は、毎月の給与(残業代を含む)の約3か月分です。毎月の給与の12か月分と賞与を足したうちの、約2割に当たります。

前の章で、賞与は年によって変わることがある、と書きました。その賞与が、施工管理の給料の中でどのくらいを占めるかを見ます。

国の賃金の統計(賃金構造基本統計調査)には、施工管理だけの区分はありません。近い区分として、国の賃金の統計の「土木技術者」を見ます。この区分には、施工管理の人のほか、設計の人なども入っています。

施工管理に近い区分(土木技術者。設計者を含む)の給料

きまって支給する現金給与額(残業代を含む): 41万7,900円(6月分)
そのうち残業代などを除いた額(所定内給与額): 38万4,100円
年間の賞与など: 123万4,700円(前の年の1年分)

※ 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種 第1表。一般労働者、産業計、企業規模10人以上、男女計。税金や社会保険料を引く前の額です。「きまって支給する現金給与額」は、残業代(時間外・深夜・休日出勤の手当など)を含む額です。それを除いた「所定内給与額」が、この記事でいう月給(基本給と毎月の手当)に近い額です。

賞与は、毎月の給与(残業代を含む)の約3か月分です。つまり、この区分では、年収にあたる額(毎月の給与×12+賞与)の約2割が賞与です。

賞与は、毎月の給与明細には出てきません。施工管理 給料を月給だけで比べると、この2割を見落とします。逆に、想定年収だけで比べると、賞与が毎年同じだけ出る前提で見ることになります。

では、Fさんの給料と求人を、3つに分けて並べると、何が見えるでしょうか。

Fさんの施工管理 給料を分けると、何が見えるか

合計はどちらも600万円でした。ただ、求人の600万円は、いまより残業が月8時間多いときの数字でした。

Fさんは、面談で、求人の想定年収の内訳を聞きました。いまの給料も、明細から同じ形に分けました。

モデルケースの条件(仮の数字)

いまの会社: 月給34万円、年間休日110日、残業は月32時間、賞与は年96万円
求人: 月給32万円、年間休日125日、賞与は昨年度の実績で年96万円。想定年収540〜600万円は「残業が月20〜40時間」の幅

どちらも1日の所定労働時間は8時間。月給の中の手当は、すべて残業代の計算に入るものとします。

残業1時間あたりの残業代は、どちらも2,500円です。いまの会社は34万円÷170時間、求人は32万円÷160時間で、1時間あたりの賃金がどちらも2,000円だからです。これに1.25を掛けます。

※ 1か月の平均の所定労働時間は「(365日−年間休日)×8時間÷12」で出しています(労働基準監督署の資料「割増賃金の計算方法」の例)。法律で決まった最低の割増(25%)で、深夜と休日の割増は入れていません。

表: Fさんの施工管理 給料を3つに分ける(仮の数字)

施工管理の給料の中身 いまの会社 求人(想定年収の上限)
月給 × 12か月 408万円 384万円
残業代 96万円(月32時間) 120万円(月40時間)
賞与 96万円 96万円
合計 600万円 600万円

つまり、求人の600万円は、残業代でいまより24万円多くもらう前提の数字です。そのぶん、毎月決まって出る月給は、年に24万円少なくなっています。

では、どちらも残業が月20時間になったらどうでしょうか。残業代はどちらも年60万円で、いまの会社は564万円、求人は540万円です。差の24万円は、月給の差(月2万円×12か月)そのものです。

一方で、求人は年間休日が15日多く、1時間あたりの賃金は同じです。休みが増えるのに時間の値打ちは落ちていない、という見方もできます。どちらを大事にするかは、Fさんが決めることです。

では、Fさんのように内訳を知るには、施工管理の求人の何を、どう聞けばよいのでしょうか。

施工管理 給料を、求人でどう分けて聞くか

先に自分の給料を3つに分け、同じ形で求人を聞きます。聞くのは、月給の中身、想定年収の前提、賞与の実績です。

給料を落としたくないのに、合計の数字だけで決めてしまうのは、もったいないですよね。施工管理の求人を比べる前に、まず自分の明細から始めます。

自分の内訳は、比べるためだけのものではありません。建設業の事業所の40.0%が、転職者の賃金を決めるときに「前職の賃金」を考慮したと答えています。

※ 厚生労働省「令和7年転職者実態調査」。複数回答。建設業の事業所の回答で、施工管理の採用に限った数字ではありません。

つまり、いまの施工管理 給料を内訳で説明できるようにしておくと、面談で話すときの材料にもなります。

施工管理の給料を、自分の明細で3つに分ける

いまの施工管理 給料の明細から、基本給、毎月の手当、残業代を書き出します。賞与は、賞与の明細から1年分を足します。

施工管理の手当は、毎月決まって出るものと、条件があるものに分けておきます。条件がある手当は、月給ではなく「変わるもの」の側に入れます。

施工管理の求人の月給を、基本給と手当に分けて聞く

月給の額だけでなく、中身を聞きます。月給に固定残業代(残業代を定額で先に払うもの)が入っていると、月給が高く見えることがあるからです。

施工管理 給料について、こう聞く

「月給のうち、基本給はいくらですか。手当は毎月決まって出るものですか。固定残業代は含まれていますか。」

固定残業代を含む求人は、除いた基本給、時間数と金額、超えた分を追加で払うことの3点を示すことになっています(職業安定法にもとづく指針)。

施工管理の想定年収が、何を前提にしているかを聞く

想定年収に残業代が入っているなら、何時間の残業で計算したかを聞きます。Fさんの求人では、この前提が幅の正体でした。

施工管理 給料について、こう聞く

「想定年収には、残業代と賞与が含まれていますか。含まれている場合、月何時間の残業と、何か月分の賞与で計算した額ですか。」

施工管理の賞与は、昨年度の実績を聞く

賞与は、年によって額が変わることがあります。だから、制度ではなく実際に出た額を聞きます。

施工管理 給料について、こう聞く

「昨年度、施工管理の方の賞与は、月給の何か月分でしたか。」

参考: 国の統計で見る、施工管理の給料(建築と土木)

建築技術者と土木技術者(どちらも設計者を含む区分)の、月の額と賞与です。会社の規模によって、月の額に差があります。

施工管理の給料を見るときの目安として、近い区分の統計をまとめておきます。

表: 施工管理 給料の目安になる区分の統計(設計者を含む)

区分 きまって支給する現金給与額(残業代を含む) 所定内給与額(残業代を除く) 年間の賞与など
建築技術者 45万6,200円 40万7,500円 131万6,100円
土木技術者 41万7,900円 38万4,100円 123万4,700円

表: 施工管理 給料の目安になる区分の、会社の規模別の所定内給与額(残業代を除く)

区分 1,000人以上 100〜999人 10〜99人
建築技術者 48万7,200円 38万9,000円 37万4,200円
土木技術者 43万2,200円 37万7,400円 37万700円

残業代を除いた月の額でも、1,000人以上の会社と10〜99人の会社で、建築技術者は約11万円、土木技術者は約6万円の差があります。つまり、施工管理の求人を比べるときは、会社の規模も合わせて見ると目安になります。

※ 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種 第1表。一般労働者、産業計、男女計。月の額は6月分、賞与は前の年の1年分で、税金や社会保険料を引く前の額です。「きまって支給する現金給与額」は残業代などを含み、「所定内給与額」はそれを除いた額です。電気と管工事・設備の施工管理は、この統計に施工管理の数字として使える区分がありません。

まとめ: 施工管理 給料は、3つに分けて比べる

施工管理 給料は、合計ではなく中身で比べます。自分の給料を分けておけば、求人で何を聞けばよいかの見当が付きます。

この記事で見てきたことを、順番に並べます。

  1. 施工管理の年収は、月給・残業代・賞与の足し算。3つは変わり方が違う
  2. 土木技術者(設計者を含む区分)の統計では、賞与が約2割。月給だけでも、合計だけでも見落とす
  3. 自分の給料を3つに分け、求人でも同じ形で聞く。想定年収は、何時間の残業が前提かを聞く

Fさんは、残業が減っても月給の差は残ると知り、月給がいまの34万円を下回らない求人を中心に、内訳を聞いていくことにしました。

表: 施工管理 給料の早見表

確かめたいこと 施工管理が最初に聞く1つ
施工管理の月給の中身 基本給はいくらで、手当は毎月決まって出るか
施工管理の想定年収の前提 月何時間の残業と、何か月分の賞与で計算した額か
施工管理の賞与 昨年度は月給の何か月分だったか
施工管理の固定残業代 含まれているか。何時間分でいくらか

今日できることは1つです。最近の給与明細と賞与の明細を出して、月給・残業代・賞与の3つに分け、1年分を書き出してみてください。それが、求人と比べるときのものさしになります。

よくある質問

施工管理 給料は、月給が高い会社と賞与が多い会社のどちらがよいですか
どちらがよいかは、一概には言えません。比べるときの見方は2つあります。 - 月給は毎月決まって出る。賞与は年によって額が変わることがある - 残業代は、1時間あたりの賃金をもとに計算する。その計算に入る賃金と入らない賃金がある つまり、月給と賞与の額だけでなく、残業代の計算に入るのはどの部分かも、施工管理の面談で聞いて確かめます。
施工管理の給料の手当は、比べるときにどう扱えばよいですか
毎月決まって出る手当と、条件がある手当に分けます。毎月決まって出るなら、年収を比べるときは月給の側に入れます。残業代の計算に入る手当かどうかは、別に聞いて確かめます。 条件がある手当は、どういうときに出るかを聞きます。家族手当、通勤手当、住宅手当は、自分の場合にいくらになるかで比べます。
施工管理 給料の統計は、施工管理だけの数字ですか
いいえ。国の賃金の統計で施工管理に近いのは「建築技術者」「土木技術者」の区分で、どちらも設計の人などを含みます。 電気と管工事・設備の施工管理は、施工管理の数字として使える区分がありません。統計は目安にとどめ、求人ごとの内訳で比べます。
施工管理の求人の「想定年収」は、どう読めばよいですか
何を前提にした額かを聞きます。残業代を何時間分見込んでいるか、賞与を何か月分見込んでいるかです。 前提を聞けば、自分の施工管理の残業時間に置き換えて計算し直せます。施工管理の給料を比べるのは、それからでも遅くありません。

本記事「施工管理の給料は内訳で比べる: 年収が同じでも、残業が減ると差が出る理由」で使った資料

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